僕を象徴するエピソード

タイムカプセルに25年後の自分への手紙

25年前の記憶が蘇る。


僕が通っていた小学校で、
25年前に埋設したタイムカプセルを
発掘するイベントがあった。


小学1年生から6年生までの児童と町内会の方の
約1200名分の思いを詰めたタイムカプセルである。


当日は、当時の児童やその家族、先生方など
500名近くが集まり、小学校は25年前にタイムスリップした。


本当に懐かしかった。


みんな歳はとっていたが、本質的なところは
良い意味でなにも変わっていない。


サッカー同好会の仲間、原付きを盗んで一緒に乗り回した親友、
いじめっこの悪ガキ、密かに好きだった女の子、
4年間担任だった先生など、いろんな人と再開できた。


これをキッカケに連絡先を交換したり、
Facebookで繋がることができたり、
先生を交えてのクラス会が開催できた。


この企画を発案した当時のPTA会長には
本当に感謝である。


そして肝心のタイムカプセルには、
僕が小学6年生の時に書いた手紙が
入っていた。


その手紙のテーマは、

「将来の夢」

25年後の自分へ向けた手紙である。


せっかくなので手紙の文章を紹介する。



「将来の夢」


僕の将来の夢は色々ある。

僕は三年生(小学校)の頃からサッカー選手に
なりたいと思っていた。

でも僕には無理だな。
でも慣れたらいいと思います。


サッカー選手になれなかったらパイロット。

それは儲かるし、小さい頃から高いところが
好きだったからかもしれません。

でも墜落したらお客さんが被害を受けたらヤバイしな。

だからどっちにしようかな。

なりたいなぁと思ったり、なりたくないなぁと思ったりする。


もしもパイロットやサッカー選手になれなかったら
タクシーの運転手。

これは、パイロットより自信がある。


いつもお父さんが運転しているところを見て、
やりかたがほとんどわかるからだ。

そこで僕の苦手なところがある。

僕は意外と方向音痴なので、これもなれないかもしれない。


それでもなれなかったら、あまりやりたくありませんが
セールスマンならできるかもしれません。


でも、僕はパイロットかサッカー選手かタクシーの運転手になりたいです。

サッカー選手は努力すればなれるし、パイロットは墜落しなければいいし、
タクシーの運転手は方向オンチさえ直せばできる。

この3つの夢のどれかになったらいいな。

1989年9月21日 木曜日



これが小学6年生の文章とは信じがたいが、
当時はこれが精一杯だったんだろう。



でも、この手紙から伝わることはある。


当時は確かに「夢」があった。

自分に夢を持てていたのだと。



残念ながら、サッカー選手にも、パイロットにも
なれていない。

実際はどこにでもいるサラリーマンだ。


僕はサラリーマンになった当時、夢も希望ももてなくなっていた。

このまま会社に全てを捧げ、そして定年してなんとなく
老後を送っていくんだと。


でもいまは小学生の時のように、ワクワクするような夢がある。

一度きりの人生、夢を追いかけないとあっという間に過ぎていく。


僕は自分の人生に後悔したくない。