僕という人間

至福の1人暮らしが始まる

入社から1年半がたった。

先輩との同居生活が終わり、
1人での寮生活が始まった。

先輩の1人が結婚し、もう1人は
寮の年齢制限で追い出された形だ。

こんな事がなければ、僕の1人暮らしも
実現しなかった。

運が良かったのである。


1人の生活にはすぐに馴染んだ。
もともと1人が大好きなので、
当然といえば当然である。

仕事帰りに好きなゲーム、マンガを
買ってきては休日にまとめて楽しんでいた。

仕事がいくらキツくて夜遅くになろうとも
寮に帰れば自分がリラックスすることができる。

僕にとって1人の時間がすごく大切なことを
身にしみて感じた。


会社ではとても良くしてくれる先輩Aがいた。

先輩Aは、僕の出身と本籍まで一緒という共通点から
話が合い意気投合した。

会社帰りにコンビニに寄り、ビールと焼き鳥を買って、
近くの公園で飲んだりした。

会社でのグチや悩み事の相談など
嫌な顔せず聞いてくれた。

美味いラーメン屋に連れてってくれたり、
スーパーの安売り情報を教えてくれたり、
仕事の要領のよいやり方を教えてくれたりした。

よくよく考えたら、いままでこんなにも
親しくしてくれた友達や同僚がいただろうか。

僕は人と接することにずっとストレスを
感じていたが、この人は違った。

一緒にいて楽しいのである。

気の許せる人であればストレスを感じない
のだなと、この時に思った。